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2023年 秋 (70号)

ニュースレター

展示 1

我らが愛した大衆文化とともに成長してきた韓流

韓流と大衆文化の特別展 <我らが愛した[ ],そして韓流>

韓流は、世界で韓国大衆文化が人気を得ている現象をいう。韓流はどこからきたのだろうか。過去 30年余年間多くの人々が疑問に思い、さまざまな解釈を出してきた。大韓民国歴史博物館の韓流と大衆文化の特別展<我らが愛した[ ],そして韓流>は、ここにひとつの解釈を加えることにした。

さる7月19日から9月3日まで開かれた韓流特別展は、現代史のなかの韓国大衆文化を海外大衆文化と並べておいて,世界と入り混じって韓流として発展してきた文化の様子を見せてみたい。

特別展の展示場入口からみられるファサード ©大韓民国歴史博物館

世界大衆文化とつながっている韓流

1部は、「韓国大衆文化のなかのアメリカ」である。展示では、1950年代から1970年代までのアメリカなどの西欧と大衆文化交流の様子を見せている。朝鮮戦争以後の1950年代頃から米軍部隊は大衆文化においてハブ的役割を果たしていた。米軍部隊公演にはアメリカ人のみならず韓国人歌手が多く出演した。歌手「ヒョンミ」と「イクムヒ」の舞台衣装、最初にアメリカに進出したギャルグループの「キムシスターズ」のデビューアルバムと親筆サイン入りのアルバム、音楽感想室である「C'est Si Bon」で実際に使われていた外国のレコードが展示されていた。

2部では、1970年代から2000年代に至るまでのアジア、そのなかで香港と日本の文化を韓国がどのように受け入れてきたかを見せていた。香港映画は、1970年代からブルースリーとジャッキーチェンなどが出演するアクション映画とキョンシー映画などが韓国で人気を集め始めた。家庭で見ることができるVCR、ビデオテープなどの媒体を通してより多く愛された。日本の大衆文化は、1990年代前後から韓国に合法的に輸入されるようになった。多数の海賊版マンガ本とともに、初めて合法的に輸入された日本コミックスが掲載された雑誌の創刊号を通して当時の日本文化に対する高い関心を確認することができた。

3部韓流の展開中「東アジアにおける韓流」©大韓民国歴史博物館

展示場の中央に位置する3部韓流コーナーでは、韓流の背景と簡略な歴史、そしてファン文化を紹介していた。主な展示品としては、海外現地で消費され、楽しまれていたK-popやドラマ、映画CD、そして各種の文化商品があった。多彩に変化する応援文化が見られる応援奉も注意深く見る価値がある。

韓国が、外国の大衆文化を熱烈に愛していた時期があったように、今では世界が韓国大衆文化に多くの愛を送っている。韓国コンテンツが固い土台にあるのは、世界の多様な大衆文化から影響を受けながら交流することで、自分のものとして築いてきた歴史があるからではないだろうか。

展览 2

韓米同行の胎動と進化、そして未来

韓米同盟70周年記念の特別展<同行>

韓米両国は、1953年「韓米相互防衛条約」締結以後、同盟を維持しながら同行してきた。その間、多くの出来事があり、70年間進退を繰り返しながら血盟と呼ばれる程度に近い関係になった。両国が共に歩んできた時間のなかの多くの物語を伝えようと今回の展示を企画した。

「韓米相互防衛条約」の締結式場面

歴史的変曲点のなかでアメリカを発見する

9月22日から12月31日まで開かれる今回の特別展は、全3部で構成されている。本展示は、1953年10月1日の「韓米相互防衛条約」の締結を中心に、その締結背景と過程、そして条約締結の影響を歴史的に眺望している。

韓国にとって、アメリカはどのような存在か。桂・タフト密約のように韓国の運命にアメリカが干渉してきた瞬間があったものの、高宗の外交顧問であったアメリカ人のデニーに、朝鮮に対する清国の干渉を批判した事件や第28代アメリカ大統領のウッドロウ・ウィルソンの民族自決主義が1919年3・1運動の思想的背景を提供したこともあった。

進化している両国の同盟

1部では、「韓米相互防衛条約」締結の歴史的背景を顧みる。この条約は、朝鮮戦争の休戦以後、私たちの安全保障のために締結された。国際連合の創設、「日米安全保障条約」の締結過程、そして朝鮮戦争に関連する多様な資料と国連旗などを見ると、観覧者は、私たちの歴史が思ったよりはるかに国際的次元で創られてきたことが感じとれる。

2部では、「韓米相互防衛条約」の締結過程を顧みる。激動する国際情勢中で韓国とアメリカは、葛藤と和解を繰り返しながら1953年「韓米相互防衛条約」を締結し、1954年正式批准を得てから条約は発効した。

アメリカの経済援助の広報ポスター

3部では、条約締結以降の韓米関係を顧みる。「韓米相互防衛条約」の締結以降、両国は、多くの分野で密接な関係を築いてきた。条約締結直後には、韓国が助けを受ける様子であったが、時間が経つにつれて韓米両国は、お互いに助け合いながら政治・経済・社会・文化などの各種分野で政治同盟以上の関係を発展させてきた。

最後に、エピローグでは1957年から2年間、アメリカ全域を巡回しながら開催された韓国国宝展の資料と映像を通して韓米文化同盟の草創期の様子を確認できる。

韓国とアメリカは、激動の歴史を共にしながら政治同盟を越えて、文化同盟に進化している。今後新しく描いていく両国の物語を期待してみる。

我らの歴史の不慣れないビュー

人々の追憶と共に息づく韓流

韓流と大衆文化の特別展 <我らが愛した [ ],そして韓流>

韓国と英国文化、似ているところと違うところ

大韓民国歴史博物館の韓流と大衆文化の特別展 <我らが愛した [ ]、そして韓流>を見ながら、私たちに今は慣れている韓流の起源がすでに30年も経っていることに今更ながらに気づき、驚いた。展示を見ていると、ひっとき英国ポップ文化がアメリカで大きく流行していた「ブリティッシュインベージョン」の時期が、英国で韓国ポップ文化が流行している現在とオーバーラップした。多数の韓国人歌手とドラマは、英国のみならず全世界で「お茶の間の話」の主要な話題になっている。

特別展を観覧中の外国人 ©連合ニュース

韓国と英国文化は、似ているところよりは違うところがもっと多いにも関わらず、英国で韓国コンテンツがこんなに大衆的人気を得ている現象を説明することは容易ではない。いくつか仮説を並べると、第一に、隣の家に住む「チャールズスタイル」の多少荒っぽくて不恰好な英国の芸能人とは違って、韓国の芸能人には、非現実と言えるほど欠点のない「白馬に乗っている完璧な主人公」のイメージがある点である。また、K-コンテンツ自体が持つ肯定的かつ楽観的メッセージも非常に誘惑的である。韓国の音楽映像は、踊り動作が絢爛ながらも滑らかで、映画とドラマは明るい色彩の背景と洗練されてよく飾られたセット場が目につく場合が多い。それに比べて、英国のメディアは寒くて暗く、事実主義的な背景描写が主となっている。

このように韓国と英国の文化差は克明であるものの、共通点がないわけではない。第一に、両国ともにアメリカ大衆文化に影響されながらも各文化の特殊な状況を適切に混じってきた。ハリウッド映画やドラマを見ると、主人公が英雄になって悪を裁いて人類を救うハッピーエンディングが主となるのに対して、韓国と英国では、暗くて悲しいエンディングを控えようとする傾向がアメリカより著しく低い。また英国は、ヨーロッパと地理的・文化的に永らく影響を互いに受けてきたので、映画またはドラマに字幕をつけて視聴することに拒否感が低い。音楽を見ても、韓国と英国では一緒に歌いやすい音楽が主流を成してきたので、K-popは、英国大衆にすでに慣れ親しんでいるジャンルである。

人生の一部分として存在する我らの韓流

特別展 <我らが愛した [ ],そして韓流>に設けられているランダムプレイダンス体験 ©大韓民国歴史博物館

最後に、韓流れの未来をどのように眺望できるかが気になっていた。韓流が、単に人類の記憶で一時的流行として忘れさる現象になるか、世界的文化芸術の大きな流れを乗って永遠な主流として位置づけられるかのことである。韓流の運命は、おそらくその二つの可能性のどこかで落ち着くだろう。

未来を予測する方法は存在しないが、韓国を経験した外国人にとって韓流は、トレンドではなく、人生の一部として存在する。数年が経ってから彼らは、韓流の追憶を抱いて本国へ帰ることになり、韓流は向こうで彼らと共に新しい生を生きていくことになるだろう。

博物館レビュー

夏休み青年キューレーターアカデミー 7期修了

大韓民国歴史博物館は、夏休みを迎えて7月19日(水)と20日(木)の両日間青年キューレーターアカデミーを運営した。合計29人が修了した今回の7期青年キューレーターアカデミーでは、特別展<我らが愛した[ ]、そして韓流>を企画したクォンキジュン(권기준)展示運営と学芸研究士の開幕話、現代史博物館の口述資料収集と展示活用(ハジョンオク(하정옥)学芸研究官)、シニア教育プログラム <あなたと私の二十歳物語>(イキョンスン(이경순)学芸研究士)について聞くことができた。

ジャンボリー参加者のための特別プログラムの運営

文化体育観光部と大韓民国歴史博物館は、韓国を訪れたジャンボリー参加者のために多様な青少年特別プログラムを運営した。韓米同盟 70周年特別展<ともに行こう We Go Together>と韓流と大衆文の特別展 <我らが愛した [ ],そして韓流>についての英語展示ツアーを実施した。またジャンボリー参加隊員の国旗と国花を描きこんだマグカップ作るプログラム<大韓の花>、光化門を素材にしたボードゲーム<光化門がひと目にぐっと>を英語同時通訳と共に進めた。

大韓民国歴史博物館は、アメリカ、フランス、デンマークなど世界各国から来た約2,000のジャンボリー参加者を迎えて、大韓民国の成長過程と文化を知らせることで、隊員達に韓国での良い思い出ができるように努力した。

博物館プレビュー

2023年下半期<現代史市民講座>「停戦 70周年記念 DMZ歴史探険」

大韓民国歴史博物館は、毎年半期ごとに主要な現代史学者を招いて<現代史市民講座>を運営している。朝鮮戦争の跡が依然として残っている非武装地帯(DMZ)をテーマに5回にわたり一般人を対象に講義を行う。今回の講座は、DMZ空間に対する最近の調査研究現況を紹介すると同時に、この地域の文化遺産を見る良い機会になる見通しである。<現代史市民講座>は、現場講義とYouTubeの生中継から参加できる。

National Museum of Korean Contemporary History Newsletter 2023年 秋 (70号)
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Editor: Lee SeungJae, Ahn SeongIn, Tak MinJung, Shin JungSoo
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