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1979年に初めて開催された「江辺歌謠祭」は、「大学歌謡祭」とともに、1980年代を代表する大学生歌謡コンテストであった。江辺歌謠祭は、1979年に京畿道加平の清平遊園地で第1回大会を行い、毎年7月と8月の間に清平遊園地や南怡島・春川市などで開催された。1970年代から始まった青年文化の一翼を担っていた大学生歌謡コンテストは、1980年代にピークを向かえた。しかし、1990年代に入ると、歌謡界が芸能企画会社を中心に急激に再編されることになり、大学生歌謡コンテストは徐々に人気を失っていた。このような状況が続く中で、若々しい感性と覇気を武器とする若者たちが熱情を発散し、また、新人歌手の登竜門として役割を果たしていた江辺歌謠祭は、2001年に22回を最後に廃止された。江辺歌謠祭は、イ・ソンヒ、イ・サンウン、チュ・ヒョンミ、パク・ミギョン、イ・サンウ、パク・ソンシンなどのスターを輩出した。
第9回のMBC江辺歌謠祭は、12チームが参加した中で、1988年8月6日に南怡島で開催された。大賞は『タムダディ』を歌ったイ・サンウンが授賞した。金賞は『悲しい絵のような愛』を歌ったイ・サンウが、銀賞は『(あなたが)去った後に』のイ・ジョンアが、銅賞は『夕立』を歌ったグループソナギが授賞した。奨励賞・歌唱賞は『雨降る午後』のパク・ソンシンが受けた。当時大賞の栄誉に輝いたイ・サンウンは、大型歌手の可能性を秘めた有望株という賛辞を受け、スターの誕生を世に知らしめた。
この音盤には、第9回の江辺歌謠祭の受賞曲及び参加曲の12曲が収録されている。A面には大賞曲『タムダディ』、銅賞曲『夕立』、奨励賞曲『雨降る午後』をはじめ、『あなたが去った場所で』、『思い出が薄れたら』、『カモメと愛』が収録された。B面には金賞曲『悲しい絵のような愛』、銀賞曲『(あなたが)去った後に』、『その日の後』、『わが青春は渇する』、『この夜に』、『星の光の中で』が収録された。「地球レコード」から発売されたこの音盤は、1980年代に盛んに行われ、韓国大衆音楽史の1ページを飾った、大学生歌謡コンテストの跡を示している。
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